ich

カラヴァッジオのichのネタバレレビュー・内容・結末

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

カラヴァッジォの絵画は、現代の感覚で言えば古典だが、17世紀からすると前衛的と言ってもおかしくないから、前衛的な映画であるのは逆に面白いな、と。いや、これが前衛的な映画かは知らんが、私には前衛的に見えた。

途中途中目に入る20世紀アイテムに、「忍たま乱太郎みてぇだな」とは思いつつ……。

そもそも私的な手紙や日記なんかがないらしく、公的な記録も裁判のものが最も多いと言われてる暴力に満ち溢れたであろう人生を送った男のことを、ここまでストーリー仕立ての映画にできたことは純粋にすごいなとは思う。
少し“いい奴すぎる”イメージはあるけれど。

旧《聖マタイと天使》が返品されて即別の大金持ちに買われたエピソードが入るなら、《聖母の死》が「死体がリアルすぎる」と言う理由で返品された話も入れて欲しかった(カラヴァッジォの写実性が高い故に返品されてしまったエピ大好き)

《聖マタイ3部作》がショーン・ビーンで、《改悛のマグダラのマリア》《聖母の死》がティルダ・スウィントンなのは正直出来すぎ君すぎて素晴らしいです。(デレク・ジャーマン監督の中での「聖マタイは誰か?」問題の答えが明示されていて感動しました)
ich

ich