えくそしす島

NOCEBO/ノセボのえくそしす島のレビュー・感想・評価

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)
3.4
【病は気から】

皆様いかがお過ごしでしょうか。
エナジードリンクを飲んだからか、今日は体が軽いと思ったら触れてもいなかった私です。安上がりなのに不思議と涙が出ますね。ゾウリムシなみの単細胞ですと定期的にこういう事が起こります。

「信じ込むことによる効果や作用」

そうです。
プラセボ(プラシーボ)効果です。思い込みで“良い効果"が出てしまうアレのことですね。本来は偽薬とその作用を指す言葉ですが。んんっ、なら逆ってなんだ?

「NOCEBO/ノセボ」

監督:ロルカン・フィネガン
脚本:ギャレット・シャンリー

あらすじ
ファッションデザイナーのクリスティーン。彼女は仕事中に「大量のダニ」に寄生された犬の幻影に襲われ、その日を境に原因不明の体調不良に悩まされてしまう…。

ノセボ効果。
偽物のお薬によって本来ならありえない“悪い効果(副作用)“が出てしまう事。私でいうと可愛い子が笑顔で会釈をしているので返したら斜め後ろの人にだった、というアレですか。副作用じゃなくて汗出ちゃう。

今作は、サスペンス・スリラー&フォークホラー(民間伝承などを題材にするもの)。そして裏にあるのはアパレルの闇。

アパレル産業が世界の途上国に与えてきた影響というのは有名な話。恩恵を受ける国と搾取される国。特に「ラナプラザの悲劇」を知っているといないのでは今作の持つ"闇深さ"も“罪深さ"も、そしてテーマの深みまでも変わってくる。

“寄生するのはダニの如く"
“血を吸うのは搾取の如く"

しかし、ホラー映画ではありつつ描写的にも物語的にも怖さは控えめ。代わりにあるのはずっと漂うイヤーな雰囲気。

・原因不明の病
・謎多き家政婦
・呪術的な施術

うん、嫌いじゃないけどもう二転三転あると良かった。

いつもミスリードに右往左往する私が終始思い描いた事が起こりそのまま終わってしまった感。社会的な問題を提起する側面があるものの、監督らしくもっと不条理に突き抜けても良かったように思う。

せめてエナジードリンクを飲まずに元気になる私ぐらいは翻弄して欲しかった。話が単調過ぎてちょっとだけ寂しい。

プラシボもっとヽ(`Д´)ノ
ノセボはもっとヽ(`Д´)ノ