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最悪な子どもたちのWNTのレビュー・感想・評価

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)
3.5
フランス北部の荒れた地区を舞台に、問題を抱えた地元のティーンエイジャー4人をオーディションで選び撮影が始まる。

映画の登場人物は4人そのもので、自分自身を演じることで見えてくることがある。

子どもと大人の狭間で繊細な心を持ち、自分自身を確立しようとする中でもがき続け成長していく。

素直になれない時も、感情を抑えられない時もどの瞬間もリアルで演技には見えないその姿から心に響くものを感じる。

どこまでが映画の話でどこからが映画ではないのか線引きすることは難しいけれど、どれも彼らであり、かけがえのない時間に思えた。

監督が怒鳴るシーンが印象的で、本当に怒らせる言葉を相手の子役に言わせることによって喧嘩に発展する考えは恐ろしいけれどいいアイデアだと思った。
役者の良さを引き出すのも監督の仕事で、いい絵を撮るためであれば何でもする力強さが伝わってくる。

最悪な子どもたちというタイトル通り、家庭環境に問題があったり悩みがある子どもたちが主役になることで演技を超える心の叫びのようなメッセージが込められている。

ラストは素晴らしい締めくくりだった。
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