Sasada

最悪な子どもたちのSasadaのレビュー・感想・評価

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)
4.4
大人と子供の話なのだけど、そもそも人間の在り方を切り取った映画としてめちゃくちゃ好きだった。

揉めそうで揉めなかったりさらりとヘイトを口にしたり、無知でピュアな危なっかしさにヒヤリとしまくったんですが。
確かに予想してないタイミングで予想してない言動を他人は取るものであると思うので、そういう“相容れなさ”と生きていく映画だなーと思って引き込まれた。
大人も子供も良い人でも悪い人でもなくて「リリ」だし「ジェシー」だし「ライアン」で、安易にラベルを貼る事を拒絶する誠実な語り口が素晴らしい。

彼らはまっすぐに傷ついて/傷つけて、理不尽に怒って、大切な人を失って大人になってゆく。今のわたしからするとどこか懐かしい記憶が呼び起こされちょっと痛くもあるなと。

あと力を持った大人が街を撮り、子供を撮ることの危うさにも意識的なのが今っぽい。ヴィクトルのようなまともな大人が当たり前に出てくることに未来への希望が込められている気がした。
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