通販化粧品会社をクビになり、妻にも捨てられた男・高木シンジは、タクシー会社に職を得た。先輩の整備士・世良に教育され、慣れない業務を必死でこなすシンジだったが、ある日、政治家・大谷を客に乗せたことで30億はくだらない名画の情報を得る。驚異的な記憶力を持つダイゴ、闇社会とも繋がりを持つ坂口という同期のドライバーと組んで、この名画を奪取して換金する計画にのめり込むシンジだが…
「Sin Clock」
以下、3時ジャスト、ネタバレ3回。
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色んなシンクロが出てきたり「実はあの時こうでした」演出があったりと、プロットはガイ・リッチーの映画みたい。ただ、リッチーさんの明るさは微塵もなく、ひたすら画面は暗い。「タクシードライバー」的な鬱屈した思いの爆発、暴力の突発などは北野武映画のよう。各シーンのフェイドアウト多用も効果的だし、ノワール映画として骨格がしっかりしているというか、シラケない出来にはなっていました。
しかし何と言っても窪塚の存在感。彼が主演というのが何よりの勝因。ダサいことじゃなくて悪いことやっちゃうIWGPのキングを観たい人は、ぜひ。