ShinMakita

死んでもいいのShinMakitaのレビュー・感想・評価

死んでもいい(1992年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.9
☆Filmarks基準スコア:3.9






山梨・大月…
駅前の「土屋不動産」に現れた二十代の青年・平野信は、社長・土屋の若い妻、名美に恋心を抱いた。土屋に頼み込んで社員となった信は、ある時内見先の家で名美と2人きりになり、レイプしてしまう。名美はそれ以来、信に溺れて言ってしまうのだが…



「死んでもいい」





大竹しのぶ、永瀬正敏、室田日出男の三角関係ドラマ。石井隆の代表作です。待望のBlu-rayが発売されて購入しました。


関西で起きた実際の事件を元にして小説となった原作をロマンポルノとして映画化する企画からスタートし、なんとかディレクターズカンパニー製作で映画化が始まったらいきなりディレカンが倒産。これをアルゴが引き継いでなんとか完成という難産映画だったそうで。
しかしそんな事情を感じさせないくらいよく出来た映画で、時に滑稽で(室田日出男が現れるタイミング!)、時に切なく(線路のショットや船宿の長回し)、時に暴力的で、そして官能的という作品でした。この三角関係は「郵便配達は2度ベルを鳴らす」と同じフォーマットなんだけど、大竹しのぶが毒婦的(いわゆるファムファタール的)ではなく、夫も愛人もどちらも好きでどちらも失いたくない女というのがミソ。流れに身を任せてしまい、共犯関係アイテムであるタバコに火をつけながら涙を流すという相反する感情を見事に体現した彼女の演技に酔える一本。
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