あまのうずめ

零落のあまのうずめのレビュー・感想・評価

零落(2023年製作の映画)
3.5
漫画家の深澤薫は8年続いた連載を終えた。連載終了の打ち上げに出るも皆スマホをいじっている。漫画の編集者の妻との仲は冷え切っており、深澤は離婚を切り出す。虚無感の中で深澤は風俗店へ通う様になり、出会ったチフユに惹かれて行く。


▶︎オープニングとエンディングの『猫顔の女』についてのテロップとナレーションが効いていた。深澤を取り巻く人たちの反応の積み重ねで次第と壊れて行く様を斎藤工が実に丁寧に演じている。作品に登場する演者は皆ベストキャスティングで斎藤工の他趣里も際立っていた。

理想を求め自分に固執する余りに生じる現実とのギャップを抱える深澤の性分が理解出来て原作にも興味が出た。途中入るモノクロの景色が展開の説明と暗示をしていたのが胸に重く響いて印象的。竹中直人監督作は二作目の鑑賞だったと思うが作品化のチョイスも良い。