離ればなれになってものbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

前半は割と冷めた目で見ていたのだが、終盤に行くに従って尻上がりに良くなり、ラストシーンでは完全に心を掴まれてしまった。

男三人女一人、10代を共に過ごした彼らは、くっついたり離れたり再会したり揉めたりを繰り返し、50代になってようやくまた4人が集まって、最高の笑顔を見せる。確かに若い頃は色々あって決してそれをなかったことにできるわけでもないのだが、でも人生は続くし、生き方に「手遅れ」なんて無いということを心から実感させてくれる良い映画だった。もうどうにもならないと思ったあの4人が、歳をとって各々人生を積み重ねたことで、また笑って共に過ごせるようになる。自分の子供など、完全に関係性が閉ざされてしまったと思えるような相手とだって、どんなに遅くなったって真摯に向き合えばいつでもやり直しができる。

この映画は若者よりも、年をとっている人ほど響くものがあると思う。自分も大人になったことでもうだいぶ人生が決まってしまっているように感じて生きていたが、いつだって今日がスタートなんだと思える、素晴らしい映画だった。