中年プロデューサーや中年脚本家による孤独な中年に夢を与えてくれるおじいさんファンタジージャンルの名作。(あくまで私の勝手な印象)
「わたしはダニエルブレイク」を思い出したけど、ダニエルブレイクの方が完璧な映画だった。
おじさん(おじいさん)の日常を淡々とコミカルに描いている。
非常に抑揚のないストーリー展開で、盛り上がりには欠けるけど、まんべんなくどこをとっても平均的に泣ける。7回くらい泣かされた。
そのわりに、私がまったく納得できなかった点は以下の2点。
●なぜ奥さんのソーニャはいつの回想シーンでも若いままなのか(壮年期の女優さんをキャストする予算がなかったのか)
●おじいさんが幸せになるにはどうしてもコミュニティーの中で他者とのかかわりを持たないといけないという価値観の押し付け
この2点が、・女優は若くて美しくなくては使えないし主人公の回想の中では生かされない⇒自分は老いても妻にはいつまでも若く美しいままで居てほしい。てかそれしか許せない。
・孤独で他者とのかかわりを持てない人、裕福ではない人は幸せな余生の条件から外される
のではないかという気持ちの悪い読後感を私に残した。