KnightsofOdessa

A Human Position(原題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

A Human Position(原題)(2022年製作の映画)
3.5
[] 70点

アンダース・エンブレム長編二作目。ノルウェーはオーレスンという港町で主人公アスタはジャーナリストとして生活している。なんらかのトラウマを抱えているアスタが暫く振りに仕事に復帰したところから始まって、とある亡命者アスランの失踪事件を追いながら、恋人との静かな暮らしを続ける中で、少しずつ傷を癒やしていく様を描いている。どういったトラウマかは明言されないが、お腹に残った傷から察するに子供関係なのかなぁ、するとアスランを探す旅は不在者の希求なのかなと。そうすると、端正な画面の中で異物感を発揮する大樹や、頻繁に登場する曲路もまた象徴的だ。とても心地よい。ちなみに、劇中で台詞だけ登場する映画は小津安二郎『お茶漬の味』らしい。ショットはフィックスだけど小津っぽくはない。
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