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ゴジラ-1.0の超空間コベのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0
時は1947年。敗戦直後の混乱・復興期に、ゴジラ出現!

…オキシジェンデストロイヤー?
…Gフォース?
…ヤシオリ作戦?

―――そんなモノは、一切無いッ!!☆

科学力も物資も乏しい戦後混乱期というシチュが、
あらゆる意味で良い。この時代で出来る事は限られてくる。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の1作目や3作目
の様な、逆境下の高揚!

さらに…
「ソ連を刺激する」という理由で、米軍は出撃できない。
自衛隊はまだ存在しない。
海上保安庁の巡視船は非武装に等しい。
…どうする?どうなる?日本!


『ウルトラマン』以降は観てたけど、『ウルトラQ』だけは
見ていなかった子供時代。
ケイブンシャの大百科やウルトラ怪獣入門などを見ながら、
「ウルトラマンや科特隊が居ないのに、こんな巨大な
ナメゴンやペギラを、どうやって撃退するんだ…!?」
と想像を張り巡らせ、悶々とした幼少期を過ごしてきた。

本作『ゴジラ-1.0』を観るまで、まさにそんな感じだった。

…まさか、安直に「古代の神秘」や「宇宙人」由来の
超絶パワーが降臨するんじゃないだろうな…?

そんな危惧さえ抱いていたが、どうやら杞憂に終わった様だ。
(笑)
良かった良かった♪

できれば時代的な描写をもう少し練り込んで欲しかったけど、
肝心な所が疎かになっても困るので。
“肝心な所”ってのは勿論、バトルな!☆

今回のゴジラは、ほぼ初代サイズ(50.1m)に縮小。
監督も語ってたけど、あまり大きすぎるとリアルな恐怖が
感じられないし、終戦直後はビルの高さも低いので、
良い選択だったのでは?

特に、あの、前半の攻防!
『ジョーズ』後半を思わせる素晴らしさだった。
あれもデカ過ぎると、リアルな緊張感に欠ける所。
『メガシャーク』とか、ま~ったく怖くなかったもんね。(笑)

問答無用な怪獣プロレス大好きなのでハリウッド推し
なんだけど、国産ゴジラの中ではかなり良かった。
ゴジラ映画が安直すぎる方向に流れてしまわぬ様に、
良い歯止めの役割を果たしてくれた傑作だと思う。
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