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ゴジラ-1.0のJPのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.4
海での戦いが多いこともあり、「JAWS」っぽくもあるし、「ジュラシック・パーク」っぽくもある!「シン・ゴジラ」以上に、万人受けしそうなモンスターパニックムービー!

戦争映画と思いきや、開幕7分くらいでもうゴジラが全貌を現し、急に怪獣映画然とするからもう笑ってしまった。
「シン・ゴジラ」が好きすぎるせいもあって、あまりにもトントン拍子でゴジラがその正体を現していて拍子抜けする。良くも悪くも、出し惜しみ一切無し。

驚いたのが、人間の上半身だけを器用に咥え、どっかに放り投げる描写。ムシャムシャと捕食するでもなく、人間を襲うその動機は割と謎。いっそのこと、進撃の巨人よろしく人を食べるという設定にしても良かったのではないかと思ってしまう。(山崎貴監督は「寄生獣」も手掛けていたし…)
そんなゴジラの、唯一確認できる行動の動機が、自分を攻撃してくるモノを攻撃対象にする、というもので、これは国同士の戦争も同じ。やられたらやり返す。まさに今作のゴジラは「戦争の恐怖」の象徴だったのかもしれない…。

戦闘機に乗ったは良いが、目の前に迫るゴジラと目が合い、恐怖のあまり撃つことができない敷島。ここの描写がめっちゃ「ジュラシック・パーク」っぽい。「恐竜の生き残り」と敷島が後に語る通り、意識されてそう。
しかも敷島はゴジラを「あれ」ではなく「あいつ」と呼ぶ。ゴジラは天災や厄災ではなく、「立ち向かうべき敵」。特攻隊員だった敷島が逃げた死の恐怖やアメリカ軍の恐怖の化身が、ゴジラになっているように見える。(実際、不自然なほどアメリカ軍が一切画面に出てこない。)

▼余談
東宝はIMAXの額縁上映、もうやめてくれえ!上下はまだしも、左右まで黒帯がかかってて何が「IMAXで体感せよ」なんだよお!勿体無い!

佐々木蔵之介のうざい昭和親父設定、何なん…?
「お前が典子ちゃんを幸せにしてやんなかったから!」って敷島の胸ぐら掴む場面、急にジャイアンすぎて笑った。「おいのび太!なんでしずかちゃんと結婚しなかったんだ!」って劇場版のジャイアンかよ。
「学者、意外とすげえやつだったんだな」
「おい小僧!」
あらゆるキャラ造形が全てジャイアンベースで笑う。

あと山田裕貴、何歳の設定なのよ…?ドラケンより年下みたいな設定になってないか…??なんか挙動が幼すぎるって…。


▼以下ネタバレあり感想



戦地から生きて還ってきたけど、戦後の貧しい社会で生きていかなければならないのも、十分絶望である。その絶望に打ち克つべく、敷島は戦争のトラウマや死の恐怖の象徴であるゴジラを倒す。たとえ典子(浜辺美波)を失った日常が死ぬことより辛くても、彼は特攻してゴジラを倒すのではなく、典子が残してくれた明子に希望を見出し、辛くても生きることを選択する。それで終わり!で良かったじゃん!!!!?
諦めずに頑張った見返りかの如く、「浜辺美波生きてました〜!」は無いだろ!おい!破壊光線の爆風でボゴーンぶっ飛ばされてなんで無事なんだよ!そもそも、そのすぐ隣で敷島よく生きてたな!!あの建物の壁頑丈すぎるし、生死を分けすぎだろ!あの壁!なんで壁と敷島は無事なんだよ!
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