もるがな

ゴジラ-1.0のもるがなのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.7
人間ドラマが驚くほど薄く退屈で、怪獣映画にそこまでドラマ性は求めはしないのだが、生じているであろうエモはまるで刺さらずとにかく薄味。台詞や展開含めてテンプレの寄せ集めであったせいか何一つ響いてこなかったものの、ゴジラの破壊シーンは圧巻の一語。個人的に都市破壊と電車の中からのカメラワークは最高の一語かつ、あれだけ威勢の良かった特攻隊員の人間が一目見た瞬間本能的な恐怖で逃げ惑うのはリアリティがあったし、戦争のダメージの残る中でさらにダメ押しの怪獣災害は絶望感がハンパない。しかしながら戦争をテーマにしたことに関しては良くも悪くも「日和ったな」というのが正直な所で、これならもっとエンタメに全振りしても良かったのではないかと思う。わりと尖ったゴジラムービーが多かっただけに、この王道感を良く捉えるか悪く捉えるかで評価は変わる。しかしながら改めてゴジラ映画を日本の大衆映画に取り戻したという意味ではその意義は大きかったと思うし、成功して売れて良かったなと一安心したのが正直な感想です。
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