りっく

ソフト/クワイエットのりっくのレビュー・感想・評価

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)
3.3
ヘイトクライムの暴走による集団暴行や衝動殺人の過程を長回しを駆使して捉えることで、ある共通の主義主張を持っているように見える個々が集団になることで、気が大きくなり、調子に乗るようになり、結果取り返しのつかなくなる、まるで坂道を転げ落ちるような一気呵成の教訓話としては最後まで見られる。

ただし、序盤の会合でのブラックライブズマターのような運動での白人への逆差別、黒人は白人を悪く言っても偏見とは言われない、黒人の命は大切に扱われるといった白人側からの社会の大きなムーブメントへの抵抗や反抗という視点が面白かっただけに、根底にある引き金は行き過ぎたヘイトクライムであるものの、そこから臨場感のある巻き込まれ型サスペンス的な展開に矮小化されていくのがやや物足りない。
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