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ロスト・フライトのナーオーのレビュー・感想・評価

ロスト・フライト(2022年製作の映画)
4.0
ジョン・カーペンターの名作『要塞警察』をイーサン・ホーク× ローレンス・フィッシュバーン主演でリメイクし、意外にもかなり良い出来だった『アサルト13 要塞警察』やメル・ギブソン主演のアクション映画『ブラッド・ファーザー』など、どの作品も一定の面白さを備えた娯楽作ばかりのジャン=フランソワ・リシェ監督最新作。

そんなジャン=フランソワ・リシェ監督と『エンド・オブ』シリーズや『炎のデス・ポリス』、『カンダハル』など最近はアクション映画に出演することが多く、そのどれも質の高い映画ばかりのジェラルド・バトラーとタッグを組むというニュースを観て以来、とても楽しみだったので公開日初日に観に行きました〜

とても面白かったです!大満足!!

こういう小粒だけどしっかりと面白いアクション映画を月に1度や2度、映画館で観たい。

囚人を乗せた旅客機が反政府ゲリラが占拠する島に不時着。機長と囚人が手を組みゲリラに立ち向かう。このストーリー自体はよくある物語。でもその"よくある物語"を丁寧に作っているからのこそ面白い。そもそも『アサルト13 要塞警察』で既に"即席バディ"モノを作っているジャン=フランソワ・リシェが監督の時点で一定の面白さは保証されてる。

まず本作『ロスト・フライト』はバディモノとしてシンプルにめちゃくちゃ面白い。主演のジェラルド・バトラーはあくまで機長役なので基本的に派手なアクションは『ルーク・ケイジ』シリーズのマイク・コルターが担当していますが、このマイク・コルターが素晴らしい。彼のバッググラウンドなどはほとんど描かれることがないのが特徴ですが、まさかのこのマイク・コルター演じる謎の囚人ガスパールを主演したスピンオフ作品を製作予定とのこと。最初にそのことを聞いた時はわざわざ作るほどか?と思いましたが、本作を観た後だとこれは全然アリ。むしろめっちゃ観たいです。

また本作、この手のアクション映画にしては無能な登場人物が少ないもの魅力的。大抵この手のアクション映画には主人公たちの足を引っ張る無能がいますが、本作は全員有能。登場したときは噛ませ犬と思った傭兵部隊も超有能。流石は元ネイビーシールズの俳優たちを起用しているだけある。

この傭兵たちが繰り広げる激しい銃撃戦良かったです。特に50口径の対物ライフルの描写が素晴らしい。また2分間に渡るジェラルド・バトラーのワンカットの格闘シーンも良かったです。ここはやはりB級監督とはいえ、アクションに確かな腕前があるジャン=フランソワ・リシェ監督ならでは。

観終わった後は良い意味で何も残らない笑
でもこういう午後ロータイプの娯楽作は大好物なのでこういう質の高いB級映画をもっと映画館で公開して欲しい〜

マイク・コルター=ガスパール主演のスピンオフも楽しみです。
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