miu

怪物のmiuのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
-
だれもさわれないふたりだけの国
ゆるやかに展開する生ぬるい地獄を否定して肯定してわたしたちは一体、どこに行くんだろう。逃避はゆっくりと傷を癒して深めていく。本当のことはふたりが分かっていればそれで良く、星空みたいな泥のそれが彼らの視点のようでとびっきり美しく悲しかった。みたいようにみて作りたいように作る怪物、それを観る自分は何なのか。知らぬうちに傷つけている自分の加害性について問い続けなければいけない。ラストは願いのようで儚くて光の中にとけていきそうだった。
声に出せない気持ちは音に乗せて言葉に残して。
宝箱みたいな時間を分けてくれてありがとうと思った。きみとぼくが世界の中心で一緒にいられるならそれでいい。それだけだよ。
miu

miu