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PERFECT DAYSのmiuのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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ザ・美学な映画。日本に生まれてよかったしこの映画が好きだと思える人間でよかった。それぞれの世界、光と影、トイレ、銭湯、フィルムの写真、木、今度は今度、今は今、こもれび。どれも一期一会の精神を感じた。日々のルーティンの中で少し日が伸びたな、とか今日は一段と夕陽が綺麗だなとか。いかにそういう些細な変化をひとつでも多くみつけられるかが心と生活の豊かさなんじゃないかな。やさしさに気づけるひとがやさしいな、と私は思うのだけど平山はまさにそういうひとだった。だいたいのことはあとになれば大体にっこりと笑うことができるし、わたしもあの笑顔を持ち合わせていたい。
公園と渋谷の妖精(田中泯)がみえている人とみえていない人で、世界はすごく変わる気がした。愛すべき主人公たちをどう眼差すのか、じぶんの世界はどう?と問われた気もしたな。
すばらしき世界の別の世界線の"すばらしき日々"のよう。何も変わらないものなんてない、それは嬉しくて悲しくて人間の摂理だと。この人にずっとしあわせでいてほしいと強く願ってなみだが。うつくしいものをみた時、泣いてしまうそれ。お酒が飲みたくなったし、父と今度野球を観に行こうって浅草の居酒屋のシーンで思った。日々を楽しむ余裕となにげない瞬間を慈しむ心、忘れたくないな〜
(新聞を濡らして丸めたもので畳をふいて掃除するライフハックが地味にすごく好きだった。)
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