miu

blueのmiuのレビュー・感想・評価

blue(2001年製作の映画)
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椅子をひきづる音、窮屈な制服、めそめそが似合う主人公、みずいろの世界。どれもなみだがでるほどすきだと思った。ひょうひょうとしてて掴みどころがなくて雲みたいな同い年なのにお姉さんみたいなそんな女の子。音楽や映画とかある程度一人で咀嚼しないといけないものを好む人に惹かれるのは自分自身と過ごしてきた時間を感じるからだと思う。たとえそれが好きな人の好きな人のものでも。
じぶんのわからない単語が入った会話に何ともない気持ちになるのを思い出した。ずっとくちびるとがらせてる市川実日子、最高だったな。手握って背中合わせるのかわいすぎたよ。ふたりで飛べるようで天使みたいに見えた。「ほんとうだよ」「わたしといてたのしい?」「たのしいしうれしいよ」「わたしのことみつけてくれたのきりしまだもん」このやりとりに泣きそうになっちゃった。この関係に名前なんていらないよね。あなたは恋と呼ぶかもしれないけれど。
あの子がへえっていうのもよかったな。何にもないというあなたに憧れを抱くし、わたしのすべてがあるように思えるよ。ただ知ってるってだけでもかっこいいんだよ。「何かが足りないし欠けてるって思う。そんなんでもわたしになりたいと思う?思うよ。変なやつ」
夜明けの缶ジュースの渡し合い、キスを繰り返してるみたいだった。具体的な叶わない理想の生活もお互いがあなたになりたいと話すやりとりも電気が走るようなキスしての視線も。たまらなく良かった。何もないと言わないで、私の好きなあなたを。そのままであなただよ、たとえ何もないと思っていても。手を引かれる方から引く方へと変わるんだね。
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