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四月になれば彼女はのmiuのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
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会いたい朝日に会いにいく。はじまりは朝日のもとで。過去と現在が交差する彼女がみあげた時計のようなお話だった。わたしはわたしに会いたかった。あなたを好きだった頃のまっすぐなわたしに。失ったものを取り戻す旅は、じぶんのだいじなものを確かめる旅でもあった。
とってもたのしいと同時にこの気持ちがなくなるさみしさが同じくらいこみあげてきて泣いてしまうのすごく分かった。背中も手も横顔ももう私のものじゃなくなるって。この瞬間からおなじ温度になることはないんだなとおもってしまう、不器用で怖がりで面倒で臆病なあの日々の自分を重ねあわせてしまった。もう会えないんだろうなって瞬間ってどうして残酷なまでに分かってしまうのだろう。縋ることもあがくことも追いかけることもしなかった、そんなにがくて残りつづける、やけにまぶしい思い出もこれからのためにあるのだとしたら。愛を等しくそのたびに重ね合わせたものたちだけが変わってゆける。
愛はてづくりで、いっしょにつくったほうがおいしい。愛されるために愛すのは悲劇って藤井風も言ってるし。「永遠に手に入らないものばかり愛してしまう」「愛を終わらせない方法は手に入れないこと」わたしの一生の課題かもしれない。いずれ終わってしまうよねベースじゃなくてどう生きていくかに舵を取る人生でありたいよ〜〜。撮りたい画があるんだ!っていう監督の意志を感じたしなにより今村圭佑さんの映像がやはり今回も良すぎてそれだけでも満足。ペルーまで卒業旅行で行ったのになんでボリビア行かなかったんだ!と地団駄

↓藤井風の言語感覚と寄り添い方がすごい、賛美歌

走り出した午後も重ね合う日々も
避けがたく全て終わりが来る
あの日のきらめきも淡いときめきも
あれもこれもどこか置いてくる
それで良かったとこれで良かったと
健やかに笑い合える日まで
明けてゆく空も暮れてゆく空も
僕らは超えてゆく
変わりゆくものは仕方がないねと手を放す、軽くなる、満ちてゆく
手にした瞬間に無くなる喜び
そんなものばかり追いかけては
無駄にしてた”愛”という言葉
今なら本当の意味が分かるのかな
愛される為に愛すのは悲劇
カラカラな心にお恵みを
晴れてゆく空も荒れてゆく空も僕らは愛でてゆく
何もないけれど全て差し出すよ
手を放す、軽くなる、満ちてゆく
開け放つ胸の光 闇を照らし道を示す
やがて生死を超えて繋がる共に手を放す、軽くなる、満ちてゆく
晴れてゆく空も荒れてゆく空も僕らは愛でてゆく
何もないけれど全て差し出すよ
手を放す、軽くなる、満ちてゆく
miu

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