シングルマザーもその息子、平穏な日々が子供達の喧嘩により壊れ始める。それぞれの視点で語られていき、主張はそれぞれ異なる。
みな自分の都合の良いように理解し、誰しもが見えていない部分がある。そんな中、子供達二人の関係だけがどこまでもピュアでまぶしく、儚く浮かび上がってくるのだ。
怪物とは誰なのか？何なのか？それは見る側それぞれが感じることであり、真実は人の数だけ存在する。
見えるものが真実ではなく、見えないところにこそ大事なことが潜んでいる。相手を理解しようと寄り添おうとする心自体も、所詮は自身が作り上げる真実で、相手から見れば私も怪物なのかもしれない。
煌びやかな儚く小さな二人の世界、
そんな幸せはあっという間で、
だからこそ美しく尊い。
テンポも良く、登場人物たちもそれぞれ魅力的で目が離せない。見応えのある作品だと思います。
