emily

母なる証明のemilyのレビュー・感想・評価

母なる証明(2009年製作の映画)
4.2
素朴な心を持つドジユンと母。なんとか女の子と関係を持ちたいドシュンはある日酔っ払って、帰り道に女の子に声かける。その女子高生が無惨な形で殺害され、容疑者扱いされ...


意味深なダンスで幕をあけ、終始広がる青白い色彩が日常の儚さを浮き彫りにする。
母と息子の些細な幸せが無惨にも壊され、試される母の愛と罪。細かい描写が一気に回収され、見事な展開をみせる。

一瞬の隙も与えず、良いテンポでどんどん観客を引き込んでいく。ただ息子を守りたい母の証明は歪んだ形で成し遂げられ、息子と同じ罪をかぶることになる母。

鏡の奥に鏡、まるで真実が浮き上がってくるかのように。そして蘇る日常。全てが変わってしまった日常、変わらないのはそこに母がいて息子がいること。

互いの秘密を知り、二人の間にできた溝端が埋まることはないだろう。それでも日々は続いていくし、親子であることは変わらない。

悲しみのダンスとともに、現実をしっかり刻み全てを背負って生きていくのだろう。
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