このレビューはネタバレを含みます
それぞれの性質による壁、意識的・無意識的な差別を内包する社会で私たちはどう心を通わせることができるか。
公共の移動手段(鉄道)が水のエレメントだったり、火にやさしくない社会だったり、故郷のファイアランドは嵐が原因で壊滅状態になってしまった過去だったり、社会の断絶が描かれる。
ファイアプレイスという雑貨屋を営む家族。一人前になるためにお店のセールを任せられたエンバーはまた癇癪を起こしてしまう。そこで出会ったのが水のエレメント、ウェイド。お店の違反を報告されたエンバーは父親の大切なお店を守るために奔走する。水漏れの原因は?
アツくなりやすいエンバーと涙もろいウェイド。ラッツを応援する心のやさしさ。癇癪は正直さのあらわれだったり、物事も見方を変えればいいことにもなる。プリクラのデートとか虹をかけたウェイドとかかわいかったな。
ガラスを作るという才能を見出されて揺れ動く心。跡を継ぐのか、自分の才能を活かすのかという決められた運命と無意識のうちに刷り込まれた道筋のようなものへの問いも示唆されていた。
結ばれない理由が100万個あっても、触れ合ったという事実がふたりを強くする。
「炎は消える前につかみ取れ」
「火と水は決して一緒になれないの」
「君の輝く炎が心から好きだ」
「夢はお前だ」