金柑

ナショナル・シアター・ライブ 2023 「るつぼ」の金柑のレビュー・感想・評価

4.4
どんどん形が見えてどんどん濁って息が詰まって胃が重くなっていく…………2幕は心臓の下あたりがずっと重くて苦しくて握り締め続けながら観ていた。戯曲読んだことなくて比較対象もないけどやっと観られて嬉しかったし初るつぼがこれで良かったと思う。面白い…辛い……苦しい……面白い……苦しい………………辛いけど客席からは(原則)逃げられなくて見守り続けるしかない。それが舞台鑑賞の好きなところでもある。
カーテンコールでの役者たちの笑顔を素直に受け止められるまで時間がかかった

魔女裁判の存在自体は知っていたけどそれが主題の話に実はあまり触れてきたことがないように思う。前半はこれは現実にあり得た話としてやってるの?それともファンタジーなの…?とにわかに信じ難かったけど終演後に調べたらがっつり史実でまた少しショックだった。無知。そうなのか…
闇の力とか本気で言っているのか……でも大河ドラマでも呪いで病にかけようとしたりしてたし似たようなことなのか…

苦しさとかその中でのプロクターの姿や言葉で涙が出た。
信仰についてはやはり心の底からシンクロして理解するには至らないので、度々出会うキリスト教ってさあ……宗教ってさあ………という作品には無力さを感じる。
終盤の判事とのやりとりとかもう さあ 真とするためにつかせる嘘、何・誰に対しての誠実さなのか、善さとは何なのか なんなんだあれ なんなのだ

相変わらず当たり前のように舞台上に雨が降る
金柑

金柑