金柑

落下の解剖学の金柑のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.2
ポスター出た時は怖い系のサスペンスかと思ってたけど普通に法廷ものだった。でも夜のシーンとかなんとなくホラーっぽい撮り方をしてるところもあって無駄にびくついてしまった

知的な台詞の応酬を集中して聞くのが好きなのでそういう意味ではかなり好きだった。英語が母国語の人がいないから英語の会話は平易でとても聞き取りやすかったというのもある。
でもあまり派手にここが凄い!みたいな目立った要素はなくて、法廷ものによくある裁判結果のドラマチックさもここではさほどメインではないし、冒頭にちらちら入る誰もいない空間の映像とかダニエルが想像してると思われる映像はかなり作為的に感じたけど「観客だけはわかっている」になるのかと思ったらそうでもなかった。脚本と演技で緻密に積み重ねていってる感じ。色々書いてるけど嫌いではないです。ラスト色々勘ぐりすぎたことをちょっと反省した。ドラマチックに演出されたサスペンスに慣れすぎている
検察は嫌な聞き方するよなあとか、新しい証言がどんどん出てきて簡単に気持ちが右往左往してしまったり、完全に傍聴者として成り行きを見守っていた感覚だった。

ヴァンサンのビジュが個人的に非常に良く、でも頼むからくっつかないでくれ頼む頼むと念じ続け、見つめ合ってあわやと思ったけど互いに目を離して互いに鼻を啜るの"わかり"すぎて笑っちゃった 二人に理性があってよかったです でも「車で送るよ」ってお前飲酒運転では…?

ダニエルの声とお父さんの記憶の姿が重なるところがなんだかとても胸がいっぱいになった

スヌープ………あのシーンどうやって撮ったんだろう パペットとかかな そうであってほしい

英独の通訳者がたった数秒だけどしっかり映ったのが嬉しかった 弁護側が雇ってるということなんだろうか
日本語字幕のクレジットが一人だけだったけど一人で3言語を…?
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