「かもめ食堂」と「めがね」は観たことがあった荻上作品。いい意味で裏切られた。社会の中にある、小さな我慢、それは夫や息子など家族だったり、クレーマーの客だったり、嫌なことを嫌と言えないのが当たり前のこの国で爆発寸前のところまで行く。水が滞ってしまい行き場を失っているような澱みを感じたなあ。戸川純(ヤプーズ)「ヒス」とか、あと台湾映画の「河」とかを思い出したなあ。最後の雨のシャワーに流されて淀みが解消されていくみたいな。でもこの映画の主人公の問題はホントに解決できたのか？それは観た観客に託されるのだろう。観ている時はかなり辛いけど、面白かった。
