あ〜〜映画館で見逃したの悔しすぎる。一秒も目が離せなくて、無駄がない。なのに、filmmakersでは意外と低評価。こんな最高なのに、ぶっちぎりで低評価があるから、面白い。
主人公の苛立ちの元凶はもとを辿れば家族だろうに、そのことに気づきもせず、鈍感にまっすぐ生きて、頭おかしいじゃんって責め立てる夫と息子。確かにもうおかしくなってるよ?でも、彼女にはそうならないと壊れてしまうほどの悲しみ、苦しみがあったはず。
そして、夫も息子も最後にはちゃんとそのことに行き着く。
だから、金銭的援助(と淡い期待)を求めて妻の元へ戻ってきた夫は自分はカマキリではないはずだと足掻いた末、結局は運命に逆らえないとでもいうように死んでいった。そして、息子も笑う母親を責めることはできない。
汚水問題、雨、緑命水、ホースから流れる水、プール、水槽……たくさんの水に囲まれながら、彼女は毎日せっせと目に見えない水を庭に描き続ける。水は私達の生命の源でありながら、呼吸を止めるものでもある。だから、息苦しくて仕方がない。
一度狂い始めた歯車はもう元には戻らないし、息子の結婚、更年期の苦しみ、まだまだ問題は山積しつづける。だけど、彼女は夫の死によってやっと解放された。
そのことが雨のフラメンコでよく分かって、別段良い話でも何でもないのに不思議とスッキリ晴れやかな面持ちで観終わることができた。途中、拍手みたいな劇伴良いね〜と思ってたら、最後にちゃんと回収されるわけね。