かめの

宇宙人東京に現わるのかめののレビュー・感想・評価

宇宙人東京に現わる(1956年製作の映画)
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敗戦から、たった11年か……。 
宇宙人、地球に現る、と言いながらも、敵は、パイラ人ではなく、新天体R。
日本を騒がせた宇宙人・パイラ人たちは、実は地球の原水爆開発に警告を発するためにやって来たという。
しかし、間もなく地球を破壊するほどの威力を持つRの接近がわかり、衝突を食い止めるため、結局は日本の科学者が発明した原水爆以上のエネルギーを持つ、新たな爆弾を使うこととなる。

この矛盾はいったい何を伝えようとしているのか?「平和のため」に原爆を落とし、多くの日本人犠牲者を出したアメリカを正当化する作品といってしまっては、その対象が感情を持たないRなのは何とも卑怯な気がする。

もしも、新天体Rに生きている宇宙人たちがいたとしたら?自分たちの地球を救うためだったとして、科学者たちは自分たちの行為を「罪」と思うだろうか。

それとも、自分たちの「平和のため」に仕方がなかったのだと正当化するのだろうか。
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