ロックウェルアイズ

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

4.6
ユーリー・ノルシュテイン監督作五本目。
恐らく彼の代表作。
霧の中に迷い込んだハリネズミのヨージックが体験する奇妙な出来事の数々。
なんとも不思議な10分間でした。
そして、前作の『アオサギとツル』を超える世界観と芸術性。
相変わらず秀逸なアニメーションと音楽。
霧の中の闇と光。平穏と焦燥。
コグマくんの元に戻ってきてもなお、謎の白馬を心配し、バックでは霧の中と同様の焦燥的な音楽が流れる。
木イチゴの砂糖漬けや多くの動物たち、川岸まで運んでくれた魚らしき何かの存在など、全て明らかにしないまま終わるため、観ているこちら側に不安とモヤモヤを与える。
主人公がハリネズミ(本当はそんなことないですけど、針で身を守る弱者)というのも良かった。