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エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆のBaadのレビュー・感想・評価

3.4
ここのところ、自然と人間の関わりをモチーフとして扱った娯楽大作映画を多く見ていて、少し感覚がずれてきてしまっているんじゃないか、と思ったのでこのドキュメンタリーを見てみました。

インド南部、タミルナードゥ州の山奥で象を保護して育てている夫婦の物語です。

大切なものを失ったり、事故に遭ったりして今までの仕事がしにくくなった背景を持つ二人が母を亡くした子象を育てます。

まるで我が子のように母親象からはぐれたこどもの象を育てる二人。
100年以上象を保護して育てることが行われている地域で、政府から多分その仕事を委託されて担っているのはその地域の部族民の人たちだろうと思うのですが、小象のみを育てることは難しく、この二人が初めて成功したのだそうです。

子どもの象は移動する途中に群からはぐれることが多い、とか。

物語の背景になっている地域の事情には詳しく触れていないので、もう少し色々と知りたいと思いましたが、この映画はそれはそれとして、心を打つものでもありました。

タミル語使用のインド映画であるのにこの映画がアカデミー賞の短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた事情もちょっと知りたくもあります。(配信のみだと対象外のような気もするので・・・)

見たきっかけとの関わりでの感想:

CGを使わないでフィクションの映画で動物を撮るとなると、良いショットが撮れるまで待つ、という時間や不要な映像を捨てる作業が膨大になると思うのですが、お金や時間をかけてもスケジュール通りに映画を世に出したい、という経済的・時間的な事情が動物CGの多用につながっているのだろうな、と思いました。

私は娯楽映画でも動物物はドラマチックよりも、CGは補助的な観察映画みたいなのの方が好みです。

動物ドキュメンタリーを撮ってくれる方にはただ感謝です。
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