最初はタミル語映画『’96』のようなテンポで話がすすみ、効果音も良くって期待してみていたのですが、トリックをアルバートが発見した時点で白けてしまいました。
やはり私この監督とは相性が悪い。
これだけの労力を払える力がある人が犯罪に走るとはちょっと考えられない。面白いんだけれどこれはないでしょう、という感じ。
前日の『マーダー・ムバラク』に続いて洒落たミステリーが楽しめるかと思いましたが、このアナクロ感に説得力を持たせるにはフィルムモノクロにするくらいのことをしなければ無理でしょう。
なんというか、主演二人の無駄遣い。
脇役はとってもキャラが立ってただけに、もうちょっと演出脚本のペラさなんとかならなかったのか・・・
いい俳優使って、しっとりと話を作っても、なんかお話つくりました感が抜けなくて残念でした。
サスペンスじゃなくて、純然たるノワール撮る方が合っている監督だと思います。『復讐の町』まではすごくよかったもの。
そっち系統があまり売れなかったので方向転換したのかもしれませんが、素直に作ればいいものができるはずが、大向こう受けを狙って小手先でいじって一手間加えてダメにしているみたいで、ヒットしたと言っても『盲目のメロディ』以降私はあまり好きになれません。
これも評判が良いので期待したものの、なんか合いませんでした。