えいがうるふ

廻魂~愛という名の呪縛~のえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

廻魂~愛という名の呪縛~(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

厳選した日本未公開作品をいち早く観せてくれるWOWOWジャパンプレミア枠でかかってた思いがけない拾い物。(現時点でレビューがたった3件!もっと知られて欲しい!)

ホラーとしてのオカルトチックな怖さはほとんど無い。霊より生きてる人間の怖さの見せ方が上手く、ママ役の女優さんの静かな狂気がヤバい。でも作品全体の演出は怖さよりむしろ哀しみを強く訴えかけてくる作りで、とにかくずっとずっと辛い。

とにかく主演夫婦のお二人の演技力が凄まじく、それを見るだけでも価値のある作品。途中で展開読めちゃうけれど、それでもなお終盤のとあるシーンでたまらず涙があふれた。

ずっとずっと救いのない辛い情景を見せといて、最後に人のやさしさや悔恨、深い愛情に気づかせるという心憎さ。一見すごく冷たくて暗くて、いかにもお涙頂戴なベタベタな描写がないからこそ、そのツンデレ構造にやられてしまった。

マレーシアと中国の合作とのことだが、同じアジア圏としてその社会情勢や生活背景が割とすんなり理解出来る面もあり、逆にへええーと思う描写もあった。
近くて遠い東洋の映画界作品で近年制作の良作に出会えるととても嬉しくなるので、応援の意味も込めての高評価。