えいがうるふ

ヴァチカンのエクソシストのえいがうるふのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.5
ラッセル・クロウ演じるアモルト神父のキャラが最高。テディベア体型でどっかりとヴェスパ(?)に乗って現れるエクソシストの姿が絵になりすぎてカワイイ。もういっそハーレーでドドドドと現れても許す。

パッと見の雰囲気は悪くないのに全体的にどこか安っぽいのもこうなるとご愛嬌。終盤に行くほど画像も展開もCGに頼った陳腐なB級ホラゲー感が増すのも想定通りで、もうこの手の作品の様式美のように思えてくる。
トマースの全然頼りになさそうなヘタレっぷりも可笑しい。おっかなびっくり初手で悪魔憑きに対峙するも、いきなり雑魚呼ばわりされて相手にされない・・・からの成長っぷり!とかキャラ的に期待通りで結構おいしい。

ヴァチカン内部の裏事情の描写はなんとも中途半端だが作品の規模としてこれぐらいが精一杯か。肝心の主人公家族の設定は背景に深みが無くかなり片手落ち感が否めない。それでも息子役のピーター・デソウザ=フェイオニーだけは異様に役に入りこんだ光る演技を見せてくれるので、おおお!と思って他の出演作を探したら「あくまのくまさん」しか出てこない(泣)。せっかく才能ありそうな子役さんなので今後作品に恵まれますようにと神に祈らずにいられない。

実話ベースらしく、原作となったのは実在したローマ教区直属の公認祓魔師であるガブリエーレ・アモルト神父の回顧録「エクソシストは語る」だそうな。エンドロール最後に本人のご尊顔もチラ見できるが確かに「話の分かる神父」味が溢れていてきっと楽しい人だったのだろうと想像した。