ひで姐

コカイン・ベアのひで姐のレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
4.1
世界仰天ニュース The Movie。

麻薬取引をするギャングが取引でブツを田舎の山奥にバラ撒いた直後に手違いで自分も墜落死。大事なブツが行方不明なのは大問題というわけでボスは手下に回収を命令。一方、学校をサボって山中の森に絵を描きに来た少女とその友達少年。茂みの奥から物音が…と思いきや、何とラリックマが襲ってくるではないか!慌てて逃げ出して離れ離れとなってしまった二人は無事に森から脱出できるのか?…ってなお話。

日本でも街中にクマが現れていろいろと問題なっているが、一度「味を知って」しまった野生動物というのは再びその味を求めて彷徨い、時には人間の目の前に現れ、時に襲う事もある。しかしクマにしてみれば美味しいごはんが食べたかっただけだし、本作のクマも単にこれまでに味わったことのないハイな気分に浸りたかっただけなのだ。そう、本作は野生動物と人間の共生、そしてそこに潜む問題をさり気なく投げかけていたのである!(知らんけど)

コカインでハイになったクマが人を襲うとかトンデモクソ鮫映画的なB級ネタ枠と思いきや、ベースとなってる出来事が実話って時点でまず笑う。ブツの回収を任された下っ端ギャングと森で迷子になった子供達という二つのストーリーが同時進行するという作りなのだが、そこに絡む「クセだけは強いけど総じてポンコツ揃い」の脇役陣がB級感に拍車をかけてて、この脇役陣のやらかしっぷり、ヤラレっぷりが見どころの一つなんでないかと。森林警備員のおばちゃんが個人的MVP。

脇役陣といいクマさんの思いっきりのいい殺りっぷりといいB級映画枠に入れてしまいそうになるけど、終わってみると「家族・友情・薬物ダメ絶対」という王道要素満載のエンタメ映画という感じ。何と言うか、妙なテンションを感じた。これが薬物というものなのか…。
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