ひで姐

ソフト/クワイエットのひで姐のレビュー・感想・評価

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)
3.7
本年度暫定胸糞オブ・ザ・イヤー

とある女子会。白人至上主義グループを結成すべく集まった6人は日々の不満を言い合い、全ては有色人種や移民が悪い!とおかんむり。やがてリーダーの家で二次会をやりましょうってんで場所移動からの酒やツマミを調達しようと入ったコンビニでアジア人姉妹に遭遇。一悶着ありーの、その場は何とか収めたが腹の虫が収まらない白人至上主義な方々は「ムカついたからアイツん家ちょっと荒らしちゃお♪」と、留守のスキをついて姉妹の家へGo!しかし!家中散々荒らしまくってる最中に姉妹が帰って来てしまった所から事態は思わぬ方向へ進むのであーる…ってなお話。

全編ワンショット。映画というよりは仲間内で撮った記録ビデオのような感じでもある。だもんだから自分もこの集まりに参加してるようにも思えて、だからこそ中盤以降の「それは絶対にやめとけ」という場面で止めに入れないやり切れなさや止められなかったが為に起きてしまった最悪の事態、これら全てを浅はかなアイデアで誤魔化そうとして結果更に悪い方へと転がり落ちてゆく様が何とも胸糞。映画の中の役柄とはいえ、アジア人姉妹役の二人がトラウマを抱えてしまわないか心配になるレベル。

全体として「白人女はクソビッチだし頭もよえーよな」という印象しか出てこないのだが、果たしてこれはヘイトスピーチに当たるのか?否か?たぶんここが本作の一番肝心なとこな気がする。

あともう1つ。学校帰りくらいの時間から物語が始まり最後は辺りが真っ暗な夜中になってるのだが、時間の経過と共に景色が暗くなるのと並行して観てるこちらの気分もどんどん暗くなってゆくというという相乗効果。なかなかよいタイミングで撮ったなあ、と。
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