ひで姐

エスター ファースト・キルのひで姐のレビュー・感想・評価

4.3
元祖地雷ガールの知られざる裏話。

大前提として前作必見。というかいきなり本作から観てしまうと前作の重要なネタバレを踏んでしまうので、何はなくともまずは1作目を見るべし。

以下、前作のネタバレを含みます
※本作のネタバレはありません。

エストニアにあるとある精神病棟施設。施設で一番の問題児・リーナちゃんは今日も元気に大暴れ♪監視の目をかい潜り施設を脱走からのどさくさ紛れで新任カウンセラーの家に忍び込みつつKillしつつ、行方不明者情報の中から自分にそっくりな「エスター」という少女をロックオン!エスターちゃんになりきって無事?家族の待つアメリカに渡る事に成功。しかし…母は感づいていた…コイツ、エスターちゃうやろ??…果たしてリーナちゃんはこのまま「エスター」として過ごしていくことができるのかっ!?…ってなお話。

いやー、これは何が凄いって主役のイザベル・ファーマンさんがエスター役を続投したこと。極力CGを使わずにメイクや撮影方法だけで子供っぽく見せていたようだけど、現在アラサーに差し掛かったイザベルさんが「見た目は子供だけど実際は31歳」のエスターを演じるのはある意味年齢相応の役なわけで、実は制作陣も続編制作に当たってこのタイミングを待っていたのでは?中途半端に10代半ばの頃に作らなくてよかったんでないかと。子供な見た目とは裏腹な冷静さ、落ち着きっぷりに説得力がある。これが1つ目。

もう1つ、ズバリ中盤以降の意外な展開。前作の時点で見た目年齢と中身年齢の違いがバレてるのに加えて、「以前の育ての親が火事で亡くなってる」という事が明言されていて、という事は本作の結末も予めわかってる状態。

な の に !

面白い!前日譚ならば題材にする時期はいくらでもあっただろうに(個人的には純真無垢なリーナちゃんがどのようにして地雷ガールへと変貌していったのか?という時期を見てみたかったが…)、敢えて設定やストーリーの「縛り」が一番キツい時期を題材にして、しかもここまで面白いモノに仕上げたのは素晴らしいとしか言いようがない。中盤の変化球が効果てきめん大当り!本作鑑賞後に前作を改めて観てみたのですが、絵の件とかムシャクシャした時に物に当たり散らすとことか、細かい部分もしっかりと繋がりをもたせてるとこもよろし。

でもね、本作で一番怖かったのはアメ玉1個で施設のスタッフをタコ殴りKillしたあいつやろ…。
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