『風立ちぬ』にすら存在したデフォルメ表現を極力排し、すべての線の動きがひとつひとつ心当たりある演技を作り出していたのはあっぱれ（リアリティをつきつめたもののけ姫と比べてもずっと進化している）。
そういう作品を作り上げる監督がいたことに感動もしたし初見の鑑賞には耐えたが、表現は過去作の羅列＝監督なりの世界の翻訳なので、宮崎駿作品とともに生きた人が死に際に見る夢といった感じだった。
リアリティのある残酷描写(欠損等の描写ではなく、生物の生々しさ)は今までにないもので冒頭などには完成度も伴った新しい表現もあったのでこれがラストにならないでほしくもある。
大人向け。
直近でみた映画に比べて高齢な方を含むハンディキャップドな方が多かったのは興味深く。
ただ難解故に集中が途切れてしまっておられたのが散見され難しいなと思った。
