このレビューはネタバレを含みます
直木賞作家が晩年、芥川賞な小説を書いた。
って感じがスゴいした。
完成されたエンタメに巧妙にメッセージを忍ばせるのではなく、言い方が難しい、けど直接的に寓話やメタ小説を映画でやった。しかも国民的アニメーションの長が最後に。
皮肉でもなんでもなく、その文脈を思うだけで、猛烈に胸アツなんだ......。
伝統、技術踏襲、クラシック(古典)かモダン(現代)かの世界に片足突っ込んで、生計立てようとしている職人及びプレイヤーには感極まるモノがあったんじゃなかろうか......。自分にはあった。
含蓄のある(色々な解釈の許される)メッセージが詰め込まれていて、何を取捨選択してもええんやで、でも、その生き方で本当にイイのかい?と、事あるごとに問われてる気さえしてくる。
世間で物議を醸し、事あるごとに大事にしたい問いかけを思い出させてくれる。もうコレだけで、製作陣に軍配があがる。
上映後、みんな何かを探るように、ちょっとざわついた。あの戸惑いと空気は忘れないし、小説を読み返すみたいに、映画の内容を必死に思い出そうとしてる現在の感覚もきっと節々で思い出すんだろう。
先日、ベタベタだけど、下北でコーヒー飲みながら、己が道を歩む野郎どもで集まって話に耽った。
最高な映画体験をありがとう。
何歳になっても終電逃してたいね。