しまごろう

君たちはどう生きるかのしまごろうのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

1回目観た感想。(2回目がある前提だ!)

深読みします!
ただの深読みです。
全く情報を入れずに行きました。この情報過多な現代にどれだけ情報に触れずにいられるかという試した部分もあるのですが、唯一ネタバレしたのは1部のキャストと主題歌だけ。

冒頭からセリフが少ないなという印象でした。でも、表情・所作でその人の心情を表現するのはさすがだなと。
新しいお母さんとの関係もセリフや所作で分かってきます。
そして途中からファンタジーのオンパレード。宮崎駿って感じの力業であれでもかこれでもかとてんこ盛り。でもきちんと纏まってるのがさすがです。どうして?何でそうなるの?って思う人もいるかもしれない。
でもね。ちゃんと理屈があったりするのよ。間接的に細かく描かれてたり、わざと余白を作ったり。でも、結局こうなったからこうなんだって言うのが正しいと思う。太陽ってなんで東から昇るの?こうなってるからそうなんだみたいな。。。納得いかないって?

寓話的な叙情的な話のような、でも本当は意味あるように描いて意味なんてないんだよ。って翻弄されてるような映画でした。

最近の子どもたちはYouTubeとか動画を1.25倍速とから1.5倍速で観るらしい。
それってただ目の前で起こってる分かりやすいことだけを知っていくだけだよね。
最近のアニメ映画の記録を塗り替えていくようなアニメは細かく心情を説明していくらしい。観てないから聴いただけだけど。本当かどうかわかんないよ。でも、それが本当でそういう作品に触れてばかりならばこの映画の登場人物の気持ちは分からないだろう。主人公に感情移入できないって?眞人がお母さんのメッセージの書いてある【君たちはどう生きるか】を読んで泣いているのを見てとても悲しい気持ち切ない気持ちになったよ。

きっと普段速読とか速見とかしてると見落とすでしょう。
人の気持ち、世の中の出来事って言葉だけじゃ表現出来ない。ゆっくりじっくり浸透していくものもあるよ。

この作品をこのタイミングで宮崎駿が世の中に出してくる意味を考える。そりゃ長く沢山の人を感動させる作品を作り続けた人。こういうのを作ってくるのは本当に流石。でもその感動の2倍も3倍も、いや10倍も苦労や挫折があったと思う。そういう人だったらこういう考えさせられる作品作れるよね。

これが20代30代の若手クリエイターや40代の映画監督に作れるだろうか。

冒頭に情報過多の時代と言ったけど、今は勝手に世界の裏側や真夜中に起きた出来事も目や耳に飛び込んでくる時代。そんなのがどんどん流れてくる。そりゃ想像力は衰えて来るでしょう。それで本当にいいのか?

汚らわしい美しくなく争いのある世界。そんな世界でも生きる意味、生きる価値はあると宮崎駿は伝えようとしている。
でもそれは想像力を豊かにして触ったり感じたり嗅いだり。。。それが出来ないと……?

宮崎駿の次の時代にどのようにして生きていくのか。
まさに【君たちはどう生きるか】と宮崎駿から投げられた気持ちである。