このレビューはネタバレを含みます
街がきれいにみえる。
日常が美しく映る。
そんな印象の映画。過去を遡っていくことで今の意味が着色していくなぁと。
1年ごとに描く事で、逆に描かれていない部分が浮かんでくる。見えている物を映すことで見えていない物を映している。
言葉って難しい。気持ちを伝えるための手段なんだけど、その気持ちの方がハッキリしていない。白か黒かではないし、金か紫かでもない。色んな色がグルグルまざっている。
それなのに言葉で伝えなければいけない。だから、そんなに言葉を信じなくても、真に受けなくてもいいのかなぁとも思う。
でも、言葉は気持ち以上を伝える時もある。
普段の生活もきっとこうやって切り抜けばきれいに見えるのかな。美しく映るのかな。
普段見てるベランダからの景色もフィルムカメラで撮れば特別な場所に映る。
これはちょっと感じたこと。
みんなこの映画を観て思い出すことがあるでしょう。
昔のじぶん。そして、相手。
今の生活がある。それは何にでも替えられない大切なもの。
戻りたい訳では無いのに、ちょっとその頃が羨ましかったりして。
それはやっぱり思い出だから。
信号の赤は止まって、青は進んでもいい。でも、戻ることは出来ない。
それでもあの頃に思いを馳せてもいいんじゃないかって。またそんな事してるって呆れられても。
だって、ちょっと思い出しただけだから。