SetsukoAzuma

君たちはどう生きるかのSetsukoAzumaのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.7
CMも予告もチラシもポスターも一切なかったので、映画業界から離れて長くなったこともあり、公開直前まですっかり忘れてました!

宮崎駿が10年ぶり&もしかしてラストになるかもしれない監督作品なので、絶対劇場で見なくては!とほかの予定を蹴っ飛ばしていきました。

宮崎さんの集大成という感じで、そこここに出てくる過去作のオマージュのようなシーンが盛りだくさん。

タイトルの「君たちはどう生きるか」の原作本は、本作に全く関係ないです。ちらっと出てくるくらい。

「不思議の国のアリス」の、日本男子版というか、「千と千尋の神隠し」から始まり、「天空の城ラピュタ」からの「風の谷のナウシカ」で終わった感じがします。途中、ポニョとかトトロみたいな感じにもなりますが、とにかく宮崎ワールド全開で、イマジネーションが炸裂。

説明はあまりないので、自分で考えながらついていかないと??となりますよー。

賛否両論のようですが、私は嫌いじゃないです。
1本のファンタジーアニメとしては、やはり最高に素敵な映像で観客を魅了するし、2時間で収まるのか?と心配したけど、何とかまとめてる(笑)

1点気になったことは、戦後直後の日本ではよくったことかもしれなかったけど、母が死んですぐに再婚する父親が一番気になりました(笑)
そこは突っ込みどころ。

女の子が主役の時がほとんどのジブリ作品で、男の子を主人公にした理由とか、宮崎監督のラストになるかもしれないということで、色々憶測飛び交いますね。

以前、東京国際映画祭の上映後のインタビューだったと思うけど、ある監督が作品を悪く言われて「批判は一時期だが、作品は永遠に残る」と言った言葉で、その場にいた人が拍手喝采してたのを思い出しました。
きっとこの作品も他のジブリ作品同様に永遠に語り継がれるようになるでしょう。

最後くらい自由に作らせてくれよ、と宮崎監督も思ったのかな。
鈴木プロデューサーは憧れの人ですが、事前情報を全く出さないという徹底した姿勢で臨み、まさかここまで思い切ったことをすると思わなかったので、二人ともアグレッシブですごいなあと思うしかない。
仕事人としてのお二人のパワーがすごすぎです。