よくできた学生の自主制作映画という印象でしょうか。
話は行き当たりバッタリで迷走気味だし、主要キャラ以外の役者たちの素人っぽさは否めません。
死体役しか声がかからない売れない役者である主人公のこだわりは面白かったし、撮影現場の風景やや彼の両親とのくだりはなかなか良かったのに残念です。
一番の問題は、ベタすぎるデリヘル嬢とその彼氏絡みのパートが取って付けたようで主人公のドラマとうまく嚙み合っていないことじゃないでしょうか。
このパートは話を散漫にしただけのような気がするので、思い切って外して、主人公と映画と両親の話をもっとじっくり作りこんだ方がよかったように思います。
主役の奥野瑛太という人は全く知りませんでしたが、脇役として出演している映画は私も何本か見ているようです。ずっとインパルスの板倉に似てるなと思いながら見てました。
デリヘル嬢役の唐田えりかも私はお初です。今回彼女のパートがムダだと思えたのは脚本の問題でしょうし、彼女の出演シーンそのものが悪いとは思いません。
主人公の両親役は本作の貴重なベテラン・チーム、きたろうと烏丸せつこの二人。
とてもいい感じに自然に演じていましたが、二人とも老けましたね（あたりまえですが）。
とくに烏丸せつこはお久しぶりでしたが、まだ現役だったんですね。インパクト大のグラビア時代とはまた違った魅力で今後も頑張っていただきたいと思います。
監督・脚本は役者出身で本作が長編デビュー作の草苅勲。
刈の上にも草カンムリがある草苅という苗字は珍しいですね。
