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MUSICAL「ルードヴィヒ Beethoven The Piano」のazuのレビュー・感想・評価

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劇場上映にて。
こちらの公演期間が2022年10月末からで、同時期にエリザベートやキンキーブーツ、ジャージーボーイズなども公演していて、ミュオタでもある私にとっては優先順位が低く劇場での観劇は叶いませんでした。

見終わってまず、これはミュージカルにする必要あったのかな?というのが最初の感想で。
キャストは子役を入れて5人。
セリフの8割が声を張り上げているスタイル。そんなに大声で言わなくてよくない?と思うようなシーンばっかりで、蜷川シェイクスピアを無理矢理ミュージカルにしたような印象を受けました。

演出が河原さんなので、まあそうなるよねと思いつつ、でもなぁこういうのミュージカルとは言わないのでは?とずっとモヤモヤ。

登場人物の心情が高まって歌になるのがミュージカルだと思っているので、歌わないセリフ部分を朗々と大声張り上げて、何なら見栄切ってるようなシーンもあって違和感。肝心の歌唱部分がやや抑え気味になるって本末転倒ではないかと。
というかあの演出では演者の喉にかかる負担がものすごい気がして、そういう意味でもモヤモヤ。演出家のエゴに思えてしまって。

唯一しっかり歌唱できていたのは木下晴香ちゃんだけだと思いました。彼女は数々のグランドミュージカルに出演されているから基礎から歌唱ができているけど、倫也さんも福士誠治さんも歌えてはいるもののミュージカルの歌唱ではなく、喉を酷使している歌い方でヒヤヒヤしてしまい😢公演終盤は大丈夫だったんでしょうか…

熱演すればいいってもんじゃないです。
それを間違って受け取って、素晴らしい作品だと言うのも違うような気がして。
ミュージカルとして確立した作品がたくさんあるのだから、無理にミュージカルにしなくてもいい。

そして一番言いたいこと
途中から耳が聞こえなくなっていくルードヴィヒが、最後まで普通に話せていたことに違和感しかありません。ファンタジーにしてももう少しどうにかならなかったのか。聞こえないのに大声で怒鳴り散らすし訳がわからない…
連ドラの「silent」や「星降る夜に」でろう者の話を見ているのでつっこむしかないという。そういう意味でもタイミング悪いしストーリーに全く入り込めなかったです。

キャストの皆さんに罪はありません。
がんばって熱演されていたことには拍手を贈りますが、ミュージカルとしては申し訳ないけど10点です。。
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