トムトム

劇場版 君と世界が終わる日に FINALのトムトムのレビュー・感想・評価

2.0
全然期待していなかった映画をわざわざ観にいって文句を言うのは当たり屋みたいでアレなんですが。

ドラマ版は未見です。
日本でも「ウォーキングデッド」出来るんやでー。と言う気概は応援したいですし期待して鑑賞しました。

個人的にゾンビ物の1番面白い部分は日常や社会が崩壊していくカタストロフ部分だと思いますし、1番面白く無いのは人間VS人間になっていく展開だと思っています。

そういう意味で今作はゾンビ物の1番面白く無い部分を邦画の1番ダメな所で煮詰めたような作品でした。

もうとにかくみんな思っている事を叫ぶ、叫ぶ。
敵も味方も理屈や道理を説くのではなく自らのお気持ちを大声で叫んだ方の勝ちといい悪質クレーマー同士の戦いみたいになっています。

ドラマシリーズを観ていないので竹内涼真演じる主人公も高橋文哉も無茶苦茶好感度が低いキャラなのも難点です。

脚本面も酷くて、一のために全を犠牲にする竹内涼真と全のために一を犠牲にする吉田鋼太郎は鏡像的なキャラとしてドラマを掘り下げられそうなのに富裕層や科学者は基本クソというわかりやすいキャラ付けをしたため無茶苦茶チープなストーリーになっています。

コロナ以降のゾンビ物なんてもっと描きようがありそうなのに陰謀論者みたいなストーリーを今さら見せられても。

特に科学者役の須賀健太が酷い。
これは役者のせいと言うより脚本や演技指導のせいだと思いますがこのキャラのせいで映画のルックが2段階くらい下がっています。

時代を託すキャラの名前が大和とか未来とかなのもねぇ。
ゾンビの呼称がゴーレムというのもちょっと……
凝るのはそういう部分では無いと思います。

キャラクターの行動や情緒が無茶苦茶なのもノれないです。
特に主人公を殺そうとした5分後に「お前は生きなきゃならないだろ」とか言い出す高橋文哉に恐怖心を覚えました。

でもそんな所はアクションが良ければ全てOKになるのですが、アクションシーンも新味が無いですしゾンビ物としてのアプローチにもフレッシュさが無かったです。

特に製作陣がカッコいいと思っているであろう「鳶ナメんな!」からの主題歌ドーンからの窓バリーンのシーンのダサさがかなりヤバい。

鑑賞していた全員がツッコんだ事でしょう。
「ワンフロアだけかーい!」と。

そりゃ「ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル」のトムさん張りにやれとは言いませんが、もうちょい頑張ってよ。

多分面白い所や盛り上がり部分は全部ドラマシリーズでやってしまったんだと思いますよ。
トムトム

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