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劇場版 SPY×FAMILY CODE: Whiteのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)
3.0
名門イーデン校伝統の調理実習。前年の優勝者には《星(ステラ)》が授与されたとの情報を入手したロイドは、アーニャに星を獲らせるべく一計を案じる。審査員である校長の故郷の伝統菓子《メレメレ》で勝負すべく、家族旅行と称してフリジス地方へと向かう。


◆ こんにちは、或いはこんばんは〈黄昏〉

凄腕スパイの父親ロイド。屈強な暗殺者の母親ヨル。読心術が使える超能力少女の娘アーニャ。未来予知が出来るペットのボンド。裏の顔を持つ三名と一匹が、各々の利益のために素性を隠して偽りの家族として暮らす姿をコミカルに、時にシリアスに、そしてハートウォーミングに描いた作品。

原作漫画は第52回(2023年)日本漫画家協会コミック部門大賞を受賞した大人気作品。アニメ化もされていますが、今回の劇場版は完全オリジナルストーリーとの事です。

原作者が監修に入っているそうで、映画オリジナルのストーリーでありながら、近代ヨーロッパを舞台にしたハリウッドのスパイ映画のような原作の雰囲気や世界観を損なわずに一定のクオリティが保たれていました。原作者監修はやっぱり超大事。

アニメSeason2の後半で放送された豪華客船編。ここで展開されたような激しい戦闘シーンが今作にも登場していました。ロイド・フォージャーによる潜入・戦闘シークエンスは充実のアクションだけでなくスマートさも持ち合わせて居ます。うーむ、エレガント!

ロイドが技巧派スパイアクションを展開する一方で、ヨルさんはバキバキの肉弾戦闘を繰り広げています。今作でヨルさんが相手をした敵キャラは完全にターミネーターでしたが、種々の得物を使いこなして全く引けを取らないヨルさんまじハンパねぇっす。


◆ ケツの力を抜いて楽になれー。

今作はアクション要素とあわせて、家族感がしっかり強調されていました。前半の家族旅行の場面だけでなく、アウェーの戦場でもしっかり三名が揃っていることって結構珍しい気がします。空軍の特別連隊を壊滅させる夫婦ってとんでもないですね。

アクション要素に負けないくらい飛び抜けていたのがギャグ要素。アーニャさん、戦闘能力が無いなら笑いを取れば良いと言わんばかりの大活躍。両親を観覧車に突っ込んで「激しめのイチャイチャ?」にはつい笑ってしまいました。

序盤から小出しのやらかしでコメディカウントを稼いでいたアーシャさんですが、彼女のコメディリリーフとしての才能は驚くことにラストのシークエンスから加速度的に飛躍していきます。

『う●こをしたらぶっ●される』という緊迫したシチュエーション下で襲いかかる強烈な便意。極限状態に達したアーニャの精神世界は崩壊していました。作画も美術もワードチョイスも制作陣の悪ふざけ×遊び心が炸裂。こういうノリ大好き。


劇場版EDが星野源× Official髭男dismの二曲構成になっていたのは粋なはからいであったかと。SPY×FAMILYといえばやっぱりこの二組ですよね。