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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

4.0
スパイダーマンの正体はミッドタウン高校の学生Peter Parker(Tom Holland)であることが全世界に向けて配信された。捏造された映像によってMysterio(Jake Gyllenhaal)殺害の容疑を掛けられたPeterは、自分だけでなく周りの親しい友人や家族にまで不当な差別が及んでいることに不満を持つ。状況を打開するため、かつて共に戦った仲間であるDr.Strange(Benedict Cumberbatch)に助けを乞う。


Grim Come out to
Grinning Socialize~♩.•
Ghosts † ‎〜𐭜 ᜊ°ཫ° )ᜊ
† ┏┛R.I.P┗┓ †

(^ΦωΦ^ o[ テイタートッツを食べてみ隊 ]o

ーWith great review comes
great friends on Filmarks.🕸🕸


◆ She told me that with great power…

あくまでもMCU作品の一環として、過去のスパイダーマンシリーズ(Raimi版、Webb版)とは全く異なるカラーを打ち出してきたJon Watts × Tom Hollandによる家系スパイダーマン。シリーズのラストを飾る三作目にして、ようやくMCUを抑えていなくとも楽しめる作品が完成しました。

Dr.Strangeの魔術で《Peterがスパイダーマンである事を誰も知らない世界》を生み出そうとした結果、魔術が失敗して《Peterがスパイダーマンである事を知っている者が吸い寄せられる世界》になってしまったというのが事のあらまし。今作のスパイダーマンとは全く別のシリーズとして製作されたソニー系(Raimi版、Webb版)の作品を平行世界の一つとし位置付け、今作に活かしています。マーベルで展開されたマルチバースの世界観を上手く活用したプロットでした。

ソニー系と家系の世界が繋がってしまった今作には、過去のヴィランたちが次々と登場します。新たなヴィランを投入せずとも、彼らは今作を十二分に盛り上げてくれました。フリーウェイにAlfred Molinaその人が演じるOtto Octaviusが四本のアームをガシャガシャ鳴らして登場した瞬間は高まりました。スターク社製のスーツが高性能すぎて瞬時に制圧してしまったのはご愛嬌。

彼の他にも、Webb版の世界から電気を自在に操るMax Dillon(Jamie Foxx)と人類蜥蜴化計画を目論むCurt Connors(Rhys Ifans)が。Raimi版の世界から身体構造が砂に置き換わっているFlint Marko(Thomas Haden Church)らが参戦しています。作品群の垣根を超えたヴィランズ大集合にはワクワクしましたが、その中でもひときわ異彩を放っていたのが初代ヴィランであるWillem Dafoe。善良な科学者Norman Osbornと邪悪な別人格Green Goblinを見事に演じ分けています。オリジナル作品当時よりもキレが増しているようにさえ感じました。


◆ Wait, what? How do you know that?

家系スパイダーマンにおけるPeter Parkerは、過去シリーズにおける彼と比べて《精神的に未熟である》という問題を抱えていました。しかしながら遂に今作でTom Holland演じるPeterが大きく成長を遂げることとなります。

Raimi版、Webb版ともにシリーズ一作目の冒頭で特殊能力の付与と同時期に《大切な人の死》が描かれおり、これによってPeterはヒーローとしてのマインドセットがなされていました。家系Peterにおいても、他のMCU作品にて(MCU未視聴なので与り知らぬ部分ですが)過酷な戦いに身を投じてきたものと思います。カットされているだけで叔父さんの死を経験していたかもしれませんし、少なくとも前作【FFH】ではTony Starkが亡くなっていました。しかし、それでもまだ、ヒーロー然とした人格形成には至っていません。

Dr.Strangeの強力な魔術を数学を駆使して破ったPeterは、彼の制止を振り切ってソニー系ヴィランたちを《各々の世界で死亡してしまう運命》から救おうとします。身の丈に合わない分不相応な挑戦であり、いささか強引で恩着せがましい節が見られますが、この優しさが家系スパイディの良い所なのやもしれません。そして、この傲慢ともとれる甘さと過信が、自らの大切な人の命を奪うことになってしまうー。


You have a gift. You have power. And with great power, there must also come great responsibility.


そんな彼に寄り添ったのがMJ(Zendaya)やNed Lees(Jacob Batalon)ではなく、同じ苦しみを共有できる《別世界の自分》という展開は胸が熱くなります。


◆ Uncle Ben said it. The day he died.

マルチバースに存在していた自分(Tobey Maguire、Andrew Garfield)の力を借りて屈強なヴィランズとの激闘を制したPeterは、事態を収集するために《誰もPeterを知らない世界》を創造することを決意します。未熟だと思っていた青年が、世界中の人々の記憶から自分の存在を消してしまう事を決意出来てしまうほどに成長を遂げていました。前作、前々作そして本作の前半部分で描かれていたような《なんちゃってヒーロー》の姿はありません。

新たに改変された《誰も自分のことを知らない世界》で、かつての親友と再開することを心待ちにしていたはずのPeter。自分の記憶を無くした友人に会いにいくも、先の戦いで負った傷痕を認め自ら身を引きます。生来の優しさが彼を孤独な戦いへと導いてしまう。過去の家系作品から雰囲気は一転していました。

エンドクレジットで登場したEddie Brockは、Raimi版で同キャラを演じていたTopher Graceではなく、VENOMを主人公に据えたシリーズで主演を務めたTom Hardy。これは次回作への伏線というよりは、同年に公開された【VENOM:LET THERE BE CARNAGE】のエンドクレジットとリンクさせた演出でしょうか。おバカで優しいPeterがあまりにも不憫なラストなので、救われる続編があるならそれもいいなと思います。未熟だなんだ言われてても、やっぱり家系スパイディは愛されキャラだったんだなぁと再認識しました。


I kind of expect disappointmentー

Cause then you’d never actually be disappointed.



𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 𓈄
Dear.クラリスちゃん

これはスパイディマラソンを続けてきて
良かったと思える作品だった(๑°ㅁ°๑)!!✧
ドクター・ストレンジはよく知らないけど
マーベル作品を観てなくても楽しかった!!