ブタブタ

ARGYLLE/アーガイルのブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ドグラ・マグラ』と同じく初めの新刊発売イベントで「エリーの正体はスパイ」って思い切りネタバレしてるのね。
ミステリー好き程コレはないなと思う程ストーリーが余りに杜撰過ぎるけど本作はもうそういう作品でないような。
伏線回収でもトリックでもどんでん返しでもなくてただひたすらに後出しジャンケンに更に後出しジャンケンを被せてるだけ。
ただ其れがダメってわけじゃなくて本作はもうマシューボーン監督によるセルフパロディにスパイ映画のオマージュに更にメタ的視点も加えたコメディで見せたいのはアクションと荒唐無稽な程にバカバカしくもシュールな不条理世界というか。
『エンジェルハート』『ファイトクラブ』等など「探していたのは自分だった映画」の系譜に入る。
エリーの正体はアーガイルだけど最初の小説内シーンで登場する敵女スパイ・ラグランジュこそがエリーの真の正体だったんじゃないの??
クライマックスのエリーのスタイル(金髪にドレス)ってラグランジュだったし、なので最後の方のネタバラシで又最初のシーン(アーガイル(エリー)とラグランジュとワイルドに変わってるシーン)に戻って毒を呑んで死んでたのは実はアーガイル(エリー)で死んだと思ったラグランジュがムクリと起き上がると思ってた。
ここまでしつこくどんでん返しにどんでん返し被せるなら最後に又もうひとつあると思ってたので。
そして最後にアーガイル(ヘンリーカヴィル)が最初のワイルドのスタイルで現れるのは実はアーガイル(男バージョン)も存在しててエリーを殺しに来た。
そして又始まって~って円環の構造だったら尚楽しかった。
鈴木清順の不条理殺し屋世界や西尾維新の異能者達のバトル(戯言シリーズや人間シリーズ)に近くて細かい事抜きにして非常に楽しかった。
キングスマンとの関わりも最後に見せて之は《キングスマン・ユニバース》になって続くのだろうか。
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