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インフィニティ・プールのinazumaのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
4.3
最強の変態巨匠監督デヴィッド・クローネンバーグを父に持つブランドン・クローネンバーグ監督!
最強の変態紳士俳優ステラン・スカルスガルドを父に持つアレクサンダー・スカルスガルド!
最強の遺伝子が融合し、そこにさらにホラー映画界の若き変態狂人ミア・ゴスが加わることで、濃厚な大変態映画がここにめでたく誕生❗

底なしの欲望、退屈、鬱憤…
私たち新人類のインフィニティプールは何をもって満たすのか?…
それは、狂った映像!スリル!恐怖!血!エロ!だ!!
…とでも言いたいのか!?
ブランドン作品をようやくお目にかかることができて感激。つい最近お父上の『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』で「なんじゃこの話は!笑」と叫んだばかりですが、本作のプロットも相当イッちゃってます。こんなの思いつかないし、思いついたとしてもここまでちゃんとした形で映画化実現できますかね。さすが息子です。正直、要所要所に入るトランス映像はどっかで観た感じがあって新鮮さは感じなかったですが、演出や見せ方は巧いというかすごく丁寧に感じました。場面がパッと切り替わったら皆白服きて談笑してるくだりとか、テンポの良さと「そりゃ、、そうなるわな」というギャグ漫画みてるような感覚になって笑っちゃいました。その直後に起こることも、急展開かと思わせといて「あ、やっぱそういうことなのね」と不思議な安堵感を覚える。見せ方ひとつで笑いを誘ったり、緩急つけてこちらの気持ちグラグラ揺さぶったりできるのはすごい技術だと思います。リゾートならではの"お土産ネタ"は一番好きかも。お土産ってなんやねん!笑

爆笑ポイントはいろいろあるものの、本作はひとえにアレクサンダーの"イジメられっぷり"を堪能することにあります。あんなことやこんなこと、そんなことまでされちゃいます。この変態!
あんなイケメンなのに変態(監督)にここまで身を捧げるとは!さすがはステランの息子と言ったところ!ステラン、アレクサンダー、ビル…スカルスガルド親子は皆さんは信頼できる!

狂ってて血みどろでキモいけど、単純に映画って面白いなと再認識できました。ラストの落ち着け方とか良かったし後味も悪くない。バスの中の皆の様子とか面白かったな。狂ってるとかじゃなく単純にバカな人たちなのかとも取れました。この時のアレクサンダーの表情はいったい何を示していたのか笑。「どうしよう、俺だけ金無ぇ」と思ってるようにもみえて笑えてきました。

📖パンフレットの感想📖
ここ最近のパンフレットで1番唸った!
映画の狂った世界観をそのまんまパンフに閉じ込めたような、それでいて惚れ惚れするほどカッコいいデザイン。舞台となるリゾート地リ・トルカ島の紙幣やホテルのチケットがついてて悶絶必至。『ボーはおそれている』のパンフみたく映画世界のアイテムが取り入れられてるのは素敵すぎる。何の冗談かわからないですがペーパークラフトもあるよ笑!
パンフの最初の方が全部リ・トルカ島の言語で書かれててなんて実験的なパンフなんだと驚愕しましたが途中から解読可能な言語になってて安心しました笑。
柳下毅一郎と面白エロおばちゃん岩井志麻子のレビューもあります。お腹いっぱいです。買いです!!!
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