氷雨水葵

呪餐 悪魔の奴隷の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

呪餐 悪魔の奴隷(2022年製作の映画)
3.5
2023年69本目

うん、怖い!

◆あらすじ
母と祖母を立て続けに亡くし、末っ子イアンも行方不明になったリニ一家。

一軒家を離れジャカルタ北部の高層アパートに越してきて4年、この日は嵐が近づきアパートは孤立寸前となっていた。

さらに、エレベーター故障による不運な事故が起き―――。

◆感想
『悪魔の奴隷』の続編・・・とはいえ、私はこっちから観てしまいました。きっと私だけじゃないはず。

そして、本作も普通に怖かった!!前作を観ていなくてもなんとなくストーリーはわかったし、数々の恐怖演出にドキドキ、ゾワゾワしました。何が怖いって、ずっと暗めの高層アパートの雰囲気がヤバい。しかも、大嵐が近づいていて序盤から嫌な予感しかしない。しかも、アパートのある場所は元墓場ときた。浸水するわ、死者多数だわ、リニの父親と母親の真実も明かされるわで、とにかくすべてが不穏で不気味。とくに、エレベーターのシーンは容易に予想できるものの、実際そうなってしまうと、もう気持ちのやりどころがない…。後ろで流れているカウントダウンじみた音楽もあり、とにかく何が起こるかと不安で仕方なかったです。あああ次男トニーがエレベーター降りて、父親が残るのは必然だったな…。そして、1階で遊んでた女の子たちも伏線はめちゃくちゃあったし、エレベーターが故障気味なのもヤバすぎたよぉぉ。
しかも、大雨でアパートが浸水するから、積みあがった遺体は各部屋に置いたままという。インドネシア特有なのか、遺体を包んだ布から顔だけ出てるのがめちゃくちゃ怖いんだが!?雷で光った瞬間にこちらを向いているのはホラー映画の定番だけど、音響演出もあり怖さ倍増。こんな闇のアパートの各部屋を巡回するとか無理!てか、トニーなんでマッチを選んだ(笑)絶対、懐中電灯のほうが安心でしょ!こういうところも伏線になってるから、ビビりながら楽しめると思います。

ただ、怖さレベル的には前作の方が上だったな。母親の悪霊(悪魔)は割と怖かったし、ジャンプスケアも適度にあり、Jホラーみたいなジメジメしてた。本作も舞台をアパートに絞って登場人物たちに災難が降りかかるという流れはいいのですが、どうにも母親の悪霊の活躍が少なかった印象で、末っ子イアンくんが登場するも、そこまでインパクトはなかった感じ。

てか、本作も前作と同じような展開が多いね(笑)ゾンビに襲われるし、死者が出るペースは早いし、結局助けにくるのは記者のおじさんだし、どのシーンにおいても救いようがない…。恐怖演出の景気が良いのは嫌いじゃないし、割とグロめのシーンもあって、音でもビビらせてくるから退屈はしないけど、人によっては舞台が一軒家からアパートに変わっただけって思うかもですね💦
それにしても、終盤イアンくんがゾンビたち(教団っぽい?)と手話でコミュニケーションしてたのが謎。結局、悪魔の子のままだったわけだけど、イマイチ理解できなかったな。

登場人物がかなり増えているうえ、リニたちの家族関係や過去の話題もちらほら出るので、前作『悪魔の奴隷』を先に観ることをおすすめします!
氷雨水葵

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