2024年31作目
🐻テディベアとユニコーンの最後の聖戦!?🦄
◆あらすじ
先祖代々に渡って繰り広げられてきたユニコーンとテディベアの聖戦。
軍に入隊した兄弟ゴルディとアスリンは、ユニコーンを倒すべく過酷な訓練の日々を送っていた。
ある日、森から帰ってこない隊員たちを捜すため、2人はほかの新兵たちとともに森に入るが―――。
◆感想
ミニシアターで鑑賞!
ゴア描写あり!と、いろんな方の感想に書いていたので覚悟していたけど、確かにキュートなビジュアル&鮮やかな描写に騙されてはいけないやつだったわこれ(笑)普通に臓物ドバドバだったし、景気よく血も吹き出るし、カラフルな芋虫食べてオエオエ祭りだったし、とんでもねえアニメだった。とはいえ、テディベアたちがみんな個性的でかわいいから、ずっと口角上がりっぱなしで観てた。
でも、展開されるのは『地獄の黙示録』ばりの地獄絵図。『オオカミの家』みたいな「マリ~ア」と不穏な呼び声からはじまり、『フルメタル・ジャケット』みたいな罵詈雑言だらけの新兵育成シーン、気づけば『もののけ姫』もびっくりなテディベアとユニコーンの戦争描写etc・・・。とくに、ユニコーンの角で串刺しにされて死んでいくみんなの凄惨な姿に開いた口が塞がらない。けど、個人的にはぶっ刺さりまくりだったので、もっとたくさんの人に観てほしいなあと。そもそも上映館少なくないですか??この内容でPG12はよくわからんけど、グロ・ホラー・B級なんでもござれの映画館ならぜひ上映してほしい。
てか、序盤の’’あの’’描写は完全に『もののけ姫』だったよね!?なに、あの赤黒いぐちゃぐちゃしたやつ・・・どう見てもタタリ神だったが。そして、本作で注目してほしいのはやっぱり、色とりどりのクマちゃんたち💘あるクマは双子でBL、またあるクマはタバコふかしながらエリート街道まっしぐら、またあるクマはシワを隠すために化粧(男)etc・・・と、とにかく個性たっぷり。しかも、このシーンを見るだけでクマたちのヒエラルキーというか関係性がわかるから楽しい。キービジュアルにいる水色のクマ、アスリンがどれだけクズかってことも序盤でわかる(苦笑)いや~人だろうクマだろうが、マジでアスリンのキャラクター性にはほんまに共感できんな。こいつだけずば抜けてえげつないキャラだったわ。瞳うるうる&💕いっぱいのキュートなテディベアはどこにいってんww
初陣してからの描写も驚きの連続だったな~虫に足噛まれた子は完全に伏線だったし、お腹すいたからって食べる芋虫(作中ではムカデだったはず)はどう見てもゲテモノで、食べたあとの効果音(ぐちゅ、ぐちゃ、じゅるるる)が想像できるくらいにはキモかった。しかも、食べたら幻覚見るって、どんな構造した芋虫なの!?双子のシーンでフェードアウトしたとき、これは完全にヤッたなと思ったわ。幻覚だと思ってたことが実はとんでもない現実って。
その後はもう、ユニコーンに蹴飛ばされ、角で刺されって感じで1回目の地獄。「ちょっとくらい救いはないか・・・?」と思ったけどそれも浅はかで、とくにアスリンのゲス具合に「そんなことするマ!?」と驚きを隠せない。いや、確かに足手まといやけど。ここらへんは、戦争が続く現代にも通じるものがあった気がします。殺戮と無残な死。結局、人だろうがクマだろうが、いつの時代も対話で解決できない世界線なんだね。
ゴルディ&アスリン兄弟が生き残るのは予想できたけど、アスリンはそういう道に行くのね。まあでも兄が優しいだけに、対極に描かれている弟はそういう運命なのか。まもなく2回目の地獄絵図がやってくるわけやけど、アニメだからできる遠慮のカケラもない残酷描写めちゃよかったわ。ラストスタンドは誰かな~と吞気に考えながら観てたけど、なるほどそういうラストに落ち着くか。
結局、戦争なんて生産性のないものだと、そういうメタファー的な作品やった。
個人的な見どころをもう少し挙げるとすれば、色彩豊かな森の描写と音かな。ニコロデオンとかでありそうな、キャピキャピ(伝われ)の自然の描写は純粋にすごいなと思った。加えて、ミニシアターで観たからか、動物たちの鳴き声や風で木々が揺れる音、ユニコーンがコツコツ歩く音の細部まで聴こえてきて、かなり耳が幸せやった。画面の向こうがゴアゴアしていなければ、ネイチャームービーかな?と思うほど。あ、エンドロールのヘヴィメタルもよかった!!
もし、グロ・下ネタ・聖書的・戦争系などが観れる人は、ぜひ観てほしいです。
レイティングPG12が謎なほど、内容はかなり攻めてますけど!!
エモくてゲスくてかわいいテディベアたちに幸あれ!