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岸辺露伴 ルーヴルへ行くのMasterYuのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.6
特殊能力を持つ人気漫画家・岸辺露伴。
新作執筆の過程で、青年時代に寄宿先で出会った女性から「最も黒い絵」の話を聞かされたことを思い出した彼は、オークションで落札した画家の絵を手掛かりに、その絵がルーヴル美術館にあることを知る。
露伴は担当編集者の泉京香と共にフランスへ向かうが・・・。

原作「岸辺露伴は動かない」がNHKで実写ドラマ化されたのが2020年。
その誠実な作りに好印象を抱いていたわけですが、ルーヴル美術館の企画のために描き下ろされた「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が実写化、しかも映画化されるとはびっくり。

で、その本作はドラマ同様、その世界観を丁寧に表現していて、且つ映画化した意義を感じさせる画作りをしているし、また特オタにはお馴染みの小林靖子脚本が冴えているので、高橋一生が演じる岸辺露伴の魅力を堪能できる内容だったと思いました。

私的に嫌いな邦画独特の舞台的な焦ったい「間」に届かない演出が心地良く、ホラーミステリとしてバランスも取れていたのではないでしょうか?
ただ、そこは描かない方が良かったのでは?と思ってしまう終盤のシーンが残念。余韻、余白って大事。
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